しとしと落ちる

創作、雑多、日記

愛は手に入った?

  春だというのに風は冷たくて、せっかく新しく買ったワンピースも着ることができない。寒さはひとりを思い出すから好きじゃない。当たり前に続く生活、落ち着ける匂い、日々の小さな喜びを積み重ねて、それを共感してくれる相手がいるからまだ私はなんとかやっていけている。最近、幸せそうじゃんと他人に言われる。幸せそうに見えるなんて、すごくいいことだと思う。努めてできるわけないからね。でも時々、ひどくその幸せだと思うものを壊したくなることがある。痺れて、苦しくて、息の詰まる感覚。もう死ぬのかな、と思うけど時間が経てばその微かな期待も薄れていく。

 

  じゅうぶん傷ついたじゃない、幸せだって素直に思ったっていいはず。

 

  それを許してくれないのは、どうしてだろう。たまに気づく。自分の本心に。目を逸らして。敢えてここでは言わないし死んでも口には出さないのだろうけれど。

 

  他人からの注目を得たくて、小さな嘘をついたことはある?

  スマホに映る作られたかわいこちゃんを自分だと本当に信じてる?

  愛を探すふりをして他人の気持ちを踏みにじったことは?

  醜い部分をちゃんとわかっているくせに、それを認めようとしないから生きづらいんだよ。意地を張っていつまでも底にいると腐るだけだから。不幸で居続けるほうが楽だろうね。幸せになるのは難しいし、理想に辿り着くには努力もいる。誰の人生を生きているの?

  私の人生だよ。吐き捨てられたガムみたいな、ねちっこいくせに味のない生き方はもう嫌なんだ。きみたちのためじゃないよ。私のために生きるしかない。綺麗事で片付けないでしまわないように、私はちゃんと振り返る。昨日の自分は泣いていないか。