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  たくさん食べてたくさん吐いてしまう。美味しいと笑っているけど、トイレに行く前にウーロン茶をごくごくごくっと勢いよく飲んで、席を立つ。帰ってくると両目が少し潤んでいて、鼻水が出ている。誤魔化すつもりで手が野菜に伸びた。しんなりしたキャベツ。彼は何も言わない。ただ、じっと私の顔を見ていた。

  そんなに見られると食べにくいじゃん、と笑うと、同じように笑ってくれたのでホッとする。言及してこないでほしいのだ。たとえ恋人であっても。

  手首の絆創膏に気づいていないと思っていたけど、どうやらお見通しだったらしい。家に帰って優しくキスされながら、気づけば絆創膏を剥がされていた。「どしたの、ここ」笑っているけど目が全然笑っていなくて、答えるより先に「怖い」とか細く声が出た。「怖い、怖い、怖い、怖い」「怒ってるからね」怒られることに慣れていないので、どうして自分が怒られているのかよくわからなかった。リスカをしたから?それを黙っていたから?心配をかけさせたから?どうして?と、思いつくまま言葉にして彼の気持ちを探る(あとで気づくことだけど、そうしている時に私は愛されているという疾患が湧く。セックスよりも)。

  彼は「リスカをしている自分が当たり前だという顔をしていることが、ダメなの」と言った。私の顔をムニムニしながら。ムニムニ。

 

  みんなはどうかわからないけど、私は腕を切っている記憶が曖昧である。暴れてるときや、奇声をあげているときも、忘れてはいないけど、どこか他人事のように感じてしまう。それを行なっている自分を、背中側から、じっと見ているような感覚。

  人混みの中にいてもよくその感覚がする。ぼーっとして、どこか遠くに自分がいる気がして不安になる。本当にここにいるのかわからなくなって、動悸がしてしまう。誰かと手を繋いでいないと、スーパーにもいけない。

 

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  猫を見て癒されよう。この写真を撮っただいぶん前に付き合った男は、息が臭くてガムをずっと噛んでいたっけな。