ペンペン

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 可愛いニット帽でしょう。お気に入りで、部屋にいるときでも被っていたいくらいなんだけど、さすがにどうかと思うのでやめておいた。雨が続いているので、お出かけをしない理由のひとつができて、少しホッとする休日。その傍らで、時間を持て余しているので、ペンペンと通話をする。

 お互いの近況を話したり、お互いがまったく別々のことをしていたり、自由な通話なので少しずつ日常化しつつある。だけど連絡がないのならないで、特に気にならないし、ふっとその存在を忘れることすらある。とても申し訳ないけれど。

 ひとりの時間を誰かと共有することは、嫌いじゃない。同じ時間を過ごしているのに、相手が近くにいないことを、ほんの少し不思議に思うくらいで。

 ひとりの夜を寂しく思う自分がなんだかお話の主人公になったみたいで、涙を流すほど苦しくても客観的にみると、少し気持ちがほぐれる。そういう余計な物事を考える余裕があればのことだけど。フィッシュマンズの「土曜日の夜」を聴きながら、わざとそういう気分にする。自分だけの世界に浸るために、あえて誰かと話をして、通話を切って、ひとりの夜に戻ってくる。あの瞬間、しんとした部屋のなか、自分だけの空間になる瞬間、私だけのための時間が返ってくる。

 

「どうやって決めたらいいかって。きみが頑張れるか、頑張れないか。それで決めたらええ」

「頑張れないからって……最初から諦めとることにならん?」

「その程度のことだってことやろ」

「違う。本気やで」

「なら、頑張ったらええやん。やるだけやってみんと、誰も結果なんてわからへん」

「死んだばあちゃんも?」

「死んだばあちゃんもや」