悲しいよね

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 本当に些細なことなんだ。友達との予定をキャンセルされただけのこと。課題が忙しいんだって。しょうがない。私には彼女の余裕の無さがわからないし、彼女の代わりに課題をやってあげることもできない。でも、楽しみにしていたの。本当だよ。楽しみにしていたの。だから、少しだけガッカリしちゃったの。頑張っているあなたに、心から「頑張れ」が言えなかったの。そんな小さな自分が悲しい。

 守られたいと思う。弱さを主張しているわけではないけれど、心が幼くて、まだ子どものままで時間が止まっているような気がする。恋人にとかではなく、確かなものに、例えば両親に。

  それが無理なので、私は今日も胎児のように丸くなって、自分を守る。羊水で浮いていた、いっさいのストレスや外敵から守られていたあの頃。記憶なんてないけど、たしかに私は簡単に死なせることのできる赤子だった。この世に生まれて息を吸って涙を流して、みんなそうやって生まれてきたはずなのに、どうしてこんなにも生き方や考え方や価値観が違うんだろう。

 コピーしちゃいたい。憧れのあの人の人生をコピーして、私のものにしてしまいたい。そんなことを考えながら眠る夜なんて、幸せじゃない。だからできるだけ、自分のことで自分が悲しくならないように、私は目の前の誰かに向かって私のことを話し続ける。

  夜は長いようで短い。ふわふわとした時間になってほしい。今夜も。

 

 

「周りと違うことって、特別ではないんやで」

「せやな」

「みんな普通やねん。みんな、おかしいねん」

「…せやな」

「やから、特別やねん。みーんな」

「………ええこと言うやん」

「酔ってるからな」