冷たいポタージュ

 

f:id:yokase_oha:20170701000419j:image

 

 

 高校一年生からの腐れ縁の同級生と、カフェでおしゃべりをした。そのとき食べていた冷たいポタージュがあまりにも美味しかったので、正直、彼女との会話の中身をまったくといっていいほど覚えていない。

 陰鬱な内容だったかもしれない。これからの人生をどう生きるか。そんな重い話をしていたような気がする。だけど、一口の一瞬で、それらがすべてどうでもよく思えてしまうのだから、料理っていうのはやっぱりすごいな。

 

 

 

f:id:yokase_oha:20170701000405j:image

 

 夏風邪をひいてしまった。朝、起きると喉の痛みで一気に鬱になる。声が出せないと成り立たない職業なのだ。本当に。イソジンでうがいをするけど、完治には程遠い。コンビニでマスクを買って、ひどい咳と鼻水に負けないようにその日を頑張った。金曜日だから頑張れたのよ。

 熱はないのに体が重い。ぼーっとする。辛くて、どうでもよくなって、赤ちゃんみたいに抱っこされていたい。そんなことを思う22歳ってどうなのかしら。イタい?

 

 

 一人暮らしをすることに決めた。早ければ、一か月後に。

 8年ぶりに会話をした父は目を細めて私の話を聞き、「応援する」「いつでも帰ってこい」という言葉をかけてくれたような気がする。印象にないのはなぜかというと、ドラマの中でしか聞かないようなその台詞が、私の心に響かないからだ。これを親不孝だというのなら、もう、そうだなとしか言いようがないけれど。実際、私にとって彼らは合わない人たちだった。それだけの話だ。

 家族といっても、一人ひとりが違う人間で、性格の合う合わないがあるだろう。

 私は、この家のだれとも合わず、一人浮いているようだった。

 

「よかせが壊れていくのは耐えられないんだよ」

 

 そう父は言っていたけれど、私は、そんなにおかしかったのだろうか。父の目から見て、私はそんなに欠けていたのだろうか。考えれば考えるほど、ますますわからなくなる。自分に理解できないものを「壊れていく」と言う父の考え方に耐えられないよ。

 どうしてこんなことができないのか。

 どうしてみんなと同じようにできないのか。

 なにが辛いのかわからない。

 そんな言葉を、ずっとずっと受けてきた。冷淡に、時にヒステリックに。今でもその質問に正確に答えることはできない。私自身、どうしてこんなに苦しいのか、まったくわからないのだ。

 根本的な、性格なのか。それとも心の病の診断を受けていた母の影響なのか。

 もう一度、医者に診てもらったほうがいい。そう言われるけど、違う、違うんだよ。私はきっとどこもおかしくないし、みんなどこかおかしいんだよ。それだけのことが、どうしてわからないんだろう。