朝の幸せ

 出勤をする1時間前には必ず起きる。

 起きてすぐにすることは、ツイッターやインスタグラムの徘徊。昼夜逆転の生活をしている者や、ニート、心になんらかの病を抱えている者、お洒落な毎日を送る者。私が好んで生活を覗き見しているだけ。もっとも、SNSにある生活が本当の彼らの送る日常であるとは微塵も思っていないけど。

 ああ、彼らも生きているのだから、私も仕事に行かなきゃな~…とぼんやり考えながら、朝ごはんの用意をする。私はきまって、朝はフルーツグラノーラにヨーグルトをかけていただく。たまにスープか、パンがつく。そして豆乳か、コーヒーも飲まないといけない。自分できちんと決めて、自分で用意するということが、私にとって一日を始めるために重要なことなのだ。

 

 音楽をかけて(それこそ洋楽が多いけれど)、読みかけの小説を開く。本を読みながら食べるのはお行儀が悪いと思うけど、ひとりの部屋でそれを指摘する人間はいない。ゆっくり食べながら、小説を読む。それだけのことで、幸せだなと感じる。

 30分経ったら、歯を磨いてお化粧をして、服を着る。人前に出る仕事なので、ある程度の身支度は必要だ。どの角度から見ても完璧な自分でいなければいけない。あくまで社会人として完璧な人間でなければ、信用問題になる。身なりには気を付けているけど、このときにも、毎日出勤してお金を稼いで社会貢献もしている自分という、自身の価値を高めている習慣である。

 清潔で誠実な恰好をして、出勤する。

 社会人として生きている自分に、やりがいを感じる。ちゃんとお風呂に入って、歯磨きをして、髪の毛も乾かして、書類をして、好きな映画を観て──。そんなことの繰り返しが、人間として生きていることに繋がっていくんじゃないかな。

 それをかみしめることができる朝が、私は好きだ。朝が来ないでと思うこともあるけれど、憂鬱なのはそのときだけで、いざ一日が終わってしまえばどうってことない。

 自分がこの世界に必要とされている。だれかに影響を与え、また影響を受けている存在であることを実感するほど、自分もこの社会の一部なんだなと思う。その一部に溶け込む一日の始まりは、私にとって今日を生きるために必要な時間だ。