しとしと落ちる

創作、雑多、日記

朝食は卵とヨーグルト、ミニトマト。彼はコーンフレークを好むけど、ベチャベチャなのは苦手なのでミルクをべつで出しておく。カリカリの目玉焼きとほどよく焦げて裂けたウインナー、緑の美しいブロッコリー。紅茶を楽しみながら、彼の食べる様子を見つめる…

そこに海があった。いつもより慎重な運転で車を走らせる。カーブと坂の多い山道で、ほぼ一車線、信号はない、人間とイノシシはいる(イノシシは実際に見たことがないので、いつ瓜坊が畑の作物を求めて走ってくるかわからず、やけにそちらを気にしていた)。…

女子高生のとき、好きな男の子の手が少し腰に触れるだけで、そこが熱を持った。狭くておしゃれな雑貨屋屋、女の人が後ろにいることに気づかなくて「こっち」って。夏休みに、教室で一人文化祭の準備をしていたことを思い出す。まだみんなが集まるには早い時…

夜。凛として時雨を流しながら、ベランダで吸う煙草は、別にいつも通りの味なんだけれど特別な時間のように感じて。伏せた視線の先に蝿の死骸を見ては、部屋のぬくもりと対照的に映るその死を偲んだ。禿げたネイルと少しめくれた唇の皮を弄びながら、網戸を…

愛は手に入った?

春だというのに風は冷たくて、せっかく新しく買ったワンピースも着ることができない。寒さはひとりを思い出すから好きじゃない。当たり前に続く生活、落ち着ける匂い、日々の小さな喜びを積み重ねて、それを共感してくれる相手がいるからまだ私はなんとかや…

祖父母を待っているからブログを書く

年末を迎えて街は賑やかだ。クリスマスとはまた違った類の賑やかさ。ショッピングモールでは多くの人が忙しなく、商品を手に取ってはまた戻し、手に取ってはまた戻し……。華やかな、そして各家庭それぞれの正月を迎えるために、買い物をしている。普段通りに…

はだかんばうの 足

彼にすべてを要求することは私には絶対にできないんだろうなって思う。会いたいと言ったって「昨日会ったじゃん」と言われるだろうし、口には出さなくても思われるのですら辛い。夜を越えるのが苦しくて、早く眠りにつくようになった。孤独に馴染んでいける…